【3月3日 AFP】インターネット上で「荒らし」の犠牲になったことのある人々に朗報だ。悪意ある書き込みを封じる手段をノルウェーのサイトが発見したようだ。このサイトでは、コメントを書き込む前に記事を全部読むことを要求している。

 ノルウェー公共放送NRKのメディア・技術関連会社NRKベータ(NRKbeta)が2月半ばから行っている実験では、記事に関する3つの質問に正解した読者だけがコメントを書き込めるようにした。

 同社の編集者マリウス・アルネセン(Marius Arnesen)氏は2日、AFPの取材に対し「大抵は、見出しとその先数行を読んだだけで、急いでコメント欄に書き込みをして議論に参加しようとする人が多い」と語った。「本文について3つの質問をすることで、知識を共有した上で議論が行われることを保証できる」

 これは議論の水準を高める1つの方法だが、「炎上」のような反応を抑える効果もある。「記事の中で何か気に障ることがあっても、一呼吸置いて、ちょっと考えさせられる。また記事をまだ全部読み終えてなければ、読み終えよう、となる」とアルネセン氏は言う。それによって、怒りにまかせたコメントの激しさを和らげるのが狙いだという。

 アルネセン氏によると、この実験は始めたばかりで最終的な結論を出すのは時期尚早だが、コメントの数はほとんど変わっておらず、定期読者の反応は全体として肯定的だという。(c)AFP