【3月1日 AFP】国際テロ組織「アルカイダ(Al-Qaeda)」のナンバー2、アブ・カイル・マスリ(Abu Khayr al-Masri)容疑者(59)がシリア北部イドリブ(Idlib)で死亡した可能性があり、米政府が事実関係の調査を行っていることが当局者の話で分かった。イドリブ周辺では米国が空爆を実施したとの報道がある。死亡が事実であれば対テロ作戦で大きな成果となる。

 エジプト生まれのマスリ容疑者は、アルカイダを設立した故ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者の義理の息子に当たり、現指導者のアイマン・ザワヒリ(Ayman al-Zawahiri)容疑者の補佐役とみられている。

 当局者は匿名を条件に、マスリ容疑者が死亡したのかどうか複数の米機関が確認作業を進めているとAFPに明かした。

 米安全保障コンサルティング企業のソウファン・グループ(Soufan Group)はマスリ容疑者を、2001年9月11日の米同時多発攻撃以前からの古参メンバーとしてアルカイダで最も重要な人物の一人としている。

 同社によると、9・11の首謀者とされるハリド・シェイク・モハメド(Khalid Sheikh Mohammed)被告がアルカイダ指導部に攻撃の計画について説明を行った場所は、アフガニスタンの首都カブール(Kabul)で当時マスリ容疑者が宿泊していた施設だったという。

 米情報当局はマスリ容疑者について、1998 年にケニアとタンザニアで起きた米大使館連続爆破にも関与したとみている。(c)AFP