【2月28日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は27日、非公開の会合を開き、北朝鮮が制裁を逃れようと「無責任で挑発的な」試みをしていると非難する声明を全会一致で採択した。国連(UN)の専門家パネルはこれに先立ち、金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏が殺害されたマレーシアなどで、北朝鮮がフロント企業を利用して制裁を回避しているとする報告書をまとめていた。

 声明は北朝鮮の唯一の後ろ盾である中国も支持した。安保理の議長国ウクライナのウラディミル・イェルチェンコ(Volodymyr Yelchenko)国連大使は会合について、北朝鮮に対する制裁決議が「完全に履行されることの重要性」で一致したと明らかにした。

 AFPが24日に入手した専門家パネルの報告書では、北朝鮮が「ますます巧妙化している」方法で、国連の制裁決議で科された貿易禁止や銀行取引制限を回避していると結論付けていた。

 報告書では、マレーシアに拠点を置くグローコム(Glocom)というフロント企業が北朝鮮製の軍事通信機器をエリトリアに販売していたと指摘。この企業は北朝鮮の対外情報・工作機関、朝鮮人民軍偵察総局が運営し、中国から部品を調達していたほか、シンガポールにも事務所を置いているという。

 国連安保理は北朝鮮に対する制裁決議をこれまでに6回採択しており、昨年の2回では制裁の大幅な強化や、北朝鮮による外貨獲得の阻止が盛り込まれている。(c)AFP