【2月27日 AFP】米国防総省は26日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が海軍長官に指名した投資家のフィリップ・ビルデン(Philip Bilden)氏が指名を辞退したと明らかにした。トランプ政権では幹部候補の指名辞退が相次ぎ、人事が迷走している。

 著名な実業家、プライベートエクイティー(PE)投資家として知られるビルデン氏をめぐっては、香港(Hong Kong)などに持つ資産を切り離せるかどうかに懸念がもたれ、長官就任に暗雲が垂れ込めていたと報じられていた。

 ジェームズ・マティス(James Mattis)米国防長官は声明で今回の指名辞退について、ビジネス上の利益を切り離すのが非常に困難なことなどからビルデン氏が「自身で決めた」と説明。早急に新たな候補者を提示すると述べた。「私は落胆しているが、彼の決断は理解するし、尊重する」とした。

 トランプ政権では陸軍長官に指名されたビンセント・バイオラ(Vincent Viola)氏も、長官職と自身のビジネスを切り離すのが困難との懸念が取りざたされる中で指名を辞退。労働長官に指名された大手ファストフードチェーン経営者のアンドリュー・パズダー(Andrew Puzder)も事業経営や私生活をめぐる問題が浮上し、指名辞退に追い込まれている。(c)AFP