【2月26日 AFP】フィリピンの首都マニラ(Manila)で25日、ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領(71)の支持者と同大統領に抗議する人たちがそれぞれ大規模集会に参加した。同大統領が進める麻薬撲滅戦争によって分断されたフィリピンの現状があらわになった。

 警察発表によると、ドゥテルテ大統領の8か月におよぶ麻薬撲滅取り締まりを支持するろうそく集会には最大20万人が参加した。一方、現地のAFP記者らは集会の規模は警察発表をはるかに下回って見えたと語っている。

 ドゥテルテ氏は昨年6月に大統領に就任すると、容赦ない麻薬撲滅作戦を断行。警察はこれまでに麻薬関連容疑者2555人を殺害した。このほかに約4000人が未解明の状況下で殺害されている。

 一方、マニラの国家警察本部近くで開かれた別の集会には ベニグノ・アキノ(Benigno Aquino)前大統領や、大統領選とは別の副大統領選挙で選ばれたレニ・ロブレド(Leni Robredo)副大統領も参加した。

 この集会はフェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)大統領(当時)の独裁政権を崩壊に追い込んだ「ピープルパワー革命」から31年を記念して開かれたものだが、麻薬撲滅作戦での殺害行為に対する批判も聞かれた。こうした殺害について国際監視団体などは国家が容認した殺人だとしている。

 集会の参加者たちは、麻薬撲滅と称した殺人は新たな独裁の前兆だと非難。日が暮れるころまでには会場の一角から「ドゥテルテを倒せ」などと、公然とドゥテルテ大統領の辞任を求める声が上がった。(c)AFP/Cecil MORELLA