【2月25日 AFP】ラグビーイングランド代表のエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)は24日、サッカープレミアリーグのレスター・シティ(Leicester City)が、クラウディオ・ラニエリ(Claudio Ranieri)監督を電撃的に解任したことを受け、メジャースポーツの指揮官は誰もが「常に不安を感じている」と訴えた。

 ラニエリ監督は23日、下馬評の低かったレスターが奇跡のリーグ制覇を果たしたわずか9か月後に解雇された。この2週間前には、クラブのタイ人オーナーが、チームが降格圏内まで勝ち点1差という悲惨な状況に陥っているにもかかわらず、ラニエリ監督への「揺るぎない支援」を約束していた。

 26日にトゥイッケナム・スタジアム(Twickenham Stadium)で行われるシックスネーションズ(Six Nations Rugby 2017)のイタリア戦を控え、就任後15連勝中と波に乗っているジョーンズHCは、ラニエリ氏について「気の毒だった」と語った。

 オーストラリア出身のジョーンズHCは、英ロンドン(London)南西部のバグショット(Bagshot)にある練習施設に集まった報道陣に対し、「優勝オッズ5000倍の下馬評を覆してリーグ制覇を果たすなんて、本当に素晴らしい話じゃないか?」と口を切ると、「チームを優勝に導きながら、翌年は不振にあえいで解雇される。気の毒に感じるよ。彼に対して大いに同情すると認めざるを得ない。状況もチームも変化するものだからね」と訴えた。

「彼は昨シーズンと同じことをやっていたはずだが、今年(今シーズン)はそれでは不十分だったということだ。厳しい仕事だよ。監督というのは本当に不安定な仕事であり、だからこそ常に不安を感じている」と話す元日本代表指揮官のジョーンズHCは、かつてオーストラリア代表HCとして2003年のラグビーW杯(Rugby World Cup)で決勝まで進出したものの、イングランドに敗れ、わずか2年後の2005年に解雇された経験がある。

 今週、ラニエリ氏の同胞でチェルシー(Chelsea)を率いるアントニオ・コンテ(Antonio Conte)監督と会談したジョーンズHCはまた、ラニエリ氏の今回の退陣について、あらゆる面で素早い対処が求められる近代社会ならではの兆候だという見解を示した。

「生活におけるもののすべてが短期的になってきているのだと思う。誰もが携帯電話を持ち、その日の出来事すべてに関する情報を瞬時に知りたがる。以前のように新聞が出るのを待たずに、今では即座に情報を入手できる。そのため生活のすべてが短縮されていて、スポーツ界でも同じことが起きている」

「誰もが素早い結果を求めていて、それが可能でない場合は、そこで物事を見限ってしまうんだ」 (c)AFP/Julian GUYER