【2月24日 AFP】ベネズエラのデルシ・ロドリゲス(Delcy Rodriguez)外相は23日、同国出身のスキー選手がパリ(Paris)の空港で強制送還された件を受け、フランスに抗議の意を示した。

 ベネズエラ出身のクロスカントリースキー選手であるアドリアン・ソラーノ(Adrian Solano)は先日、フィンランド・ラハティ(Lahti)で行われるノルディックスキー世界選手権(Nordic World Ski Championships 2017)出場のため、トランジットで利用したパリの空港でフランス警察に強制送還された。22歳の同選手はAFPに対し、自身がスキーヤーであることを信じてもらえなかったと明かしている。

 これを受けてロドリゲス外相はこの日、今回の件は「まったく容認できない」とツイッター(Twitter)上で怒りをあらわにした。

「ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の指示を受け、われわれはベネズエラ出身スポーツ選手を侮辱したフランス政府に断固として抗議する」

 ソラーノは「1月19日にパリに到着した際、彼らには練習のためスウェーデンに向かっていると説明した。でも、彼らは私がベネズエラでスキーをしていると信じてくれなかった」とし、自身の渡航文書は正規のものであったにもかかわらず、警察に搭乗を拒否されたとAFPに説明している。

「当時は28ユーロ(約3400円)しか持ち合わせていなかった。警察は母国の情勢が芳しくないという理由で、私が移住しようとしていると責めてきた」

「彼らは服装や顔もしくは外見で私を侮辱してきた」

 現場に居合わせたソラーノのトレーナーも、「警察は彼のことを笑った。ベネズエラにスキーは存在しないと言っていた」と当時の状況を振り返っている。

 1か月にわたって練習から離れることを余儀なくされたソラーノは、21日になってようやく開催地に到着したが、翌日に行われた男子10キロクラシカルでは数回にわたって転倒を喫してフィニッシュできなかった。(c)AFP