【2月24日 AFP】パキスタン東部ラホール(Lahore)で23日、爆弾が爆発し、少なくとも8人が死亡、28人が負傷した。当局が発表した。同国で起きた攻撃はこの2週間足らずで10件目。犠牲者数は計130人を上回っており、イスラム過激派による暴力行為の増加が示されている。

 ラホールでは今月2件目となったこの爆発では何台もの車がつぶれ、市内全域がパニックに陥った。現場は同市郊外の富裕地区で、高級店やカフェが立ち並んでいる。現場向かいの美容院スタッフはAFPに対し、爆弾が爆発したのは、子ども含め多くの人出でにぎわう市場内に建設中の建物だったと話した。

 この爆発から1時間余り後、近隣の同じく富裕地区で2度目の爆発があったといううわさが広まり、複数の救急車が急行したが、当局が後に誤報だったと認めた。パニックはソーシャルメディアにも飛び火し、情報機関からの危険情報とされるメッセージや、全面外出禁止令が出されたというデマも拡散した。

 パキスタンでは長期にわたって治安が落ち着いていたため、国民の間には安心感が広がっていた。だが、ここへ来て攻撃が相次いだことで緊張が高まり、過去15年間にわたる武装勢力との戦いが奏功しつつあるとする楽観的な見方に冷水を浴びせた格好となった。

 同じくラホールで今月13日に爆発した爆弾では、14人が死亡。また同国南部シンド(Sindh)州にあるスーフィー(Sufi、イスラム神秘主義)の聖廟(せいびょう)で起きた自爆攻撃では、信者ら90人が犠牲になった。

 23日の攻撃について犯行声明を出した組織はまだないが、これまでの一連の攻撃の大半ではイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」やイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」が犯行を認めている。(c)AFP