【2月23日 AFP】米国体操連盟(USA Gymnastics)の元医師であるラリー・ナサール(Larry Nassar)被告が22日、13歳未満の少女を含む新たに22件の性的暴行の罪で追起訴された。

 米ミシガン(Michigan)州で追起訴された53歳のナサール被告は昨年11月、児童への性的暴行に及んだ疑いで逮捕された。関係者によると、当件の被害者は体操選手とは無関係の子どもだったとしている。

 さらに同年12月には、調査の過程で児童ポルノの画像やビデオが押収されたことが明らかになり、同州連邦裁判所は保釈を認めない決定を下していた。

 ミシガン州のビル・シュエット(Bill Schuette)司法長官はこの日、二つの国で複数の性的暴行に及んだとして、ナサール被告を追起訴。被害者には13歳未満の少女5人が含まれるとされている。同被告は23日に出廷し、罪状認否が行われる。

 シュエット司法長官は、「ナサール医師は少女たちを餌食にした。彼は自身の地位と権力を利用し、治療という名の下で凶悪な性的虐待に及んだ」と述べた。

 AFPの取材に対してナサール被告の弁護士はコメントを避けているが、被告本人は以前から適切な医療処置を行っただけだとしている。

 2015年まで米国の五輪チームの医師として活動したナサール被告は昨年9月、複数の告発が表面化したことで、勤務先のミシガン州立大学(Michigan State University)から解雇され、2017年1月時点では医師免許停止となっている。

 ナサール被告をめぐる調査は現在も進行中で、当局は犠牲にあったと思われる他の人々にも名乗り出るよう求めている。(c)AFP