【2月23日 AFP】フランス人アーティストのアブラハム・ポアンシュバル(Abraham Poincheval)さん(44)が22日、重さ12トンの岩の中で1週間過ごすパフォーマンス作品をパリ(Paris)の美術館で開始した。作品についてポアンシュバルさんは「我慢できると思う」とコメントした。

 国内外の報道陣が見守る中、ポアンシュバルさんは、真っ二つに割れた石灰岩の中に入った。岩はその後、美術館「パレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)」のスタッフによってぴったりと閉じられた。

 岩の内部には、人一人が座れる大きさの穴がくり抜かれ、飲料水やスープ、乾燥肉などの生活物資を置いておくためのくぼみも設けられた。

 開始直前にAFPの取材に応じたポアンシュバルさんは、閉所恐怖症などはまったく心配していないと述べ、「われわれはすでに自身の体の中に閉じ込められているから」と続けた。

 排せつ物の処理については、あまり積極的に語ろうとしなかったが、最終的には、設置された小さな容器の上に座ることや飲み干した飲料水のボトルを利用することなどについて明らかにした。

 岩には通気口として穴が設けられている。心臓モニターや緊急時に対応可能な映像機器のケーブルもここを通っているという。

 それ以外に用意されているのは、クッションと数冊の本だけだ。本についてポアンシュバルさんは「時間つぶしの助けにはなるだろうが、ずっと読んでいられるとは思わない」と語った。選んだのは哲学書などの「軽くない」内容のものだという。

 ポアンシュバルさんはこれまでにも、クマのはく製の中で2週間を過ごしたり、1週間以上岩の下に埋めらたままになったり、巨大なプラスチック製ボトルの中に入って川下りをしたりと、とっぴな作品で人々を驚かせてきた。

「岩」と呼ぶ今回のパフォーマンス作品については「地質学的な時間の旅」であり、そこでは自らが「岩の心臓」になると語った。(c)AFP/ Antoine FROIDEFOND/Fiachra GIBBONS