【2月23日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権は22日、全米の公立学校に対しトランスジェンダー(性別越境者)の生徒・学生に自らが認識する性別に基づいたトイレや更衣室の使用を許可するよう求めたバラク・オバマ(Barack Obama)前政権のガイドラインを撤回した。

 トランプ政権は、ガイドラインを撤回することで、今後、生物学上の性別に沿わないトイレの使用を許可するかについては各州や学区の判断に任せることになる。

 トランプ氏は昨年の大統領選で、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)の権利を守る可能性を示唆していたが、保守派とリベラル派による広範囲にわたる文化的な対立の中心にある主要問題について保守派寄りの決定をしたことになる。

 ホワイトハウス(White House)が公立学校に宛てた2ページの通知書では、現在のガイドラインには「詳細な法的分析、または(教育機関での性差別を禁じる1972年成立の)連邦教育法第9編(Title IX)の文言との一貫性の説明」が欠け、「正式な手続きも踏んでいない」と述べている。

 今回の決定を前に、LGBTの権利保護運動に反対する代表格のジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官と、この運動を支持しているとされるベッツィー・デボス(Betsy DeVos)教育長官との間で意見の相違があったと伝えられている。

 デボス長官は22日の声明で、「教育省の市民権局は、学校で最も弱い立場にある人たちに対する差別、いじめ、嫌がらせに関するすべての申し立てについて今後も調査していく」と強調した。(c)AFP