【2月21日 AFP】2010年に仏パリ(Paris)の市立近代美術館(Musee d'Art Moderne)から有名な絵画5点が盗まれた事件の裁判で、パリの裁判所は20日、「スパイダーマン(Spiderman)」の異名があるビエラン・トミッチ(Vjeran Tomic)被告(49)に禁錮8年の判決を下した。

 トミッチ被告と共犯者2人は2010年5月10日の夜、市立近代美術館からアンリ・マチス(Henri Matisse)、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)、ジョルジュ・ブラック(Georges Braque)、フェルナン・レジェ(Ferdinand Leger)、アメデオ・モディリアニ(Amedeo Modigliani)の絵画を盗んだ罪で起訴された。この事件は近年では最も被害額が大きい美術品の窃盗事件の一つとされていた。

 トミッチ被告と共犯者2人には計1億400万ユーロ(約125億円)の罰金支払いも命じられた。罰金額は絵画5点の推定評価額。盗まれた絵画はまだ見つかっていない。

 市立近代美術館を運営するパリ市の代理人弁護士は、絵画が消えたことについて、「言葉では言い表せない」ほど人類の損失になっていると述べている。

 クロアチア出身のトミッチ被告は、窃盗を働くために市立近代美術館に侵入したことを認めている。逮捕時、被告は レジェの絵画を盗むよう言われていたが、さらに4点も盗むことができるとは思わなかったと供述していた。(c)AFP/Sofia BOUDERBALA