【2月20日 AFP】(更新、写真追加)マレーシア政府は20日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏が殺害された事件で、マレーシア側の捜査について「敵対勢力」と共謀していると非難したカン・チョル(Kang Chol)駐マレーシア北朝鮮大使を外務省に呼び出した一方、自国の駐北朝鮮大使をクアラルンプール(Kuala Lumpur)に呼び戻したことを明らかにした。

 マレーシア外務省の声明によると、マレーシア側はカン大使に対し、正男氏の殺害事件はマレーシア国内で不可解な状況下で起きたもので、マレーシア政府には死因を特定するため捜査を行う責任があると強調したという。

 一方でカン大使は、マレーシア政府からの呼び出しを受けた後、マレーシア警察による正男氏の死因の調査は信頼できないとの主張を展開。北朝鮮大使館の前で報道陣に対し、「今回の事件が発生してから7日が経過したが、死因についての明確な証拠はなく、現時点でマレーシア警察による調査を信頼することはできない」と述べた。

 また、マレーシア政府は自国の駐北朝鮮大使に対し、協議を行うためクアラルンプールに戻るよう命じたという。北朝鮮政府は正男氏の遺体の引き渡しを要求しているが、マレーシア側は応じない意向を表明しており、両国の対立が深まっている。(c)AFP