【2月19日 AFP】去就が取りざたされているイングランド・プレミアリーグ、アーセナル(Arsenal)のアーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)監督が、今後も指導者を長く続けたいと話し、クラブとの契約延長を希望する意向を示唆した。

 今季でアーセナルとの契約が満了を迎え、さらには最近の試合内容がサポーターの批判の的になっていることから、去就が不透明だとされているベンゲル監督は先日、21年続いたアーセナルでの政権は終わるかもしれないが、監督業は続けたいという意思を表明しており、この日は可能であればアーセナルの指揮官を続けたいと話した。

 報道陣から自身の将来について問われたベンゲル監督は、「もし君がチームを持っていたら、私を雇ってくれないかな」と答えると、「危機だとは思っていない。私の望みは常にアーセナルで指揮を執ることだ。その意思はこれまでも示してきたと思う。しかし、私だって大人だし、今の状況は理解している」と語った。

 現在のアーセナルは、リーグ戦で首位チェルシー(Chelsea)と勝ち点10差の4位。さらに15日に行われた欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)の決勝トーナメント1回戦第1戦では、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)に1-5の大敗を喫し、7年連続の16強敗退はほぼ避けられない状況となった。

 しかしながら、67歳のベンゲル監督は、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)の元指揮官、アレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)氏よりも長くサッカー界にとどまりたいと話し、少なくともあと4年は監督を続けたいという考えを示した。ファーガソン氏は2013年に71歳で監督業から退いている。

「ファーガソンには、人生でほかにやりたいことがあったのだろう。彼は今の私より年上だった。71歳で引退している。私は現在67歳だから(引退は)自分の方が後になるかもしれないし、先かもしれない。それはわからない。すべてはその人次第だ」

「ファーガソンから何かを奪うつもりはない。彼は信じられないような監督だったが、十分だと考えたのかもしれない。私はまだその段階まで到達していない」

■「戦犯探しの文化」に警鐘

 ベンゲル監督はまた、自身の将来については3月か4月中に決断したいと話した。先日は今シーズンが終わった時点でと述べていたが、それから考えが変わったようだ。20日のFAカップ(FA Cup 2016-17)で格下サットン・ユナイテッド(Sutton United)と対戦するアーセナルだが、ベンゲル監督はバイエルン戦の大敗を引きずるかもしれないと不安を抱いている。

「すぐに立ち直るのは難しいだろう。死ぬまで抱えなくてはならないかもしれない。だけど、私は過去にとらわれ過ぎては未来への準備がおろそかになるという考えを持っている」

「あのときの負けがあったからこそ、その後に成功できたということを証明しなくてはならない。悔しさを乗り越えて、目の前の課題に100パーセント集中して立ち向かわなくてはならないんだ」

 さらにベンゲル監督は、バイエルン戦の敗因について言及し、司令塔のメスト・エジル(Mesut Ozil)一人に責任を押し付けるのは間違っているとの見解を示した。

「あれだけの大敗の要因を、一人の人間に求めるのは難しい。失点の仕方を見れば、ほかにも批判されるべき選手はいる。しかし、次のレベルを目指さなければならないのはどの選手も一緒だし、その点では誰か一人が特別ということはない」

「私は現状を間違いなく受け入れているし、わかってもいる。どんなに泣きわめこうが、結果は変わらない。われわれにできるのは、次の試合に勝つことだけだ。私としては、これは品性とまとまりの問題だと思う。大切なのは、戦犯探しの文化にとらわれるのではなく、団結してうまく立ち直ることだ」 (c)AFP/Ian BAKER