【2月18日 AFP】フランスの大統領選に立候補している極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首は17日、自身のボディーガードに勤務実態のない欧州議会議員秘書としての仕事を与えたことを認めたとの報道を激しく否定した。

 ルペン氏は遊説先の仏東部でラジオ局フランス・ブルー(France Bleu)に対し「真っ赤なうそだ。そんなことを少しでも認めたことは決してない」と述べた。

 フランスの2つの報道機関は16日、ルペン氏がボディーガードのティエリ・レジエ(Thierry Legier)氏に欧州連合(EU)の資金から不正に給料を支払っていたことを認めたとする欧州不正対策局(OLAF)の報告書の抜粋を公開していた。

 反EUを掲げるFNのルペン党首は欧州議会(European Parliament)議員でもある。欧州議会は2011年、レジエ氏との3か月契約で4万1554ユーロ(約498万円)を支払ったが、レジエ氏には議員秘書としての勤務実態がなかったと主張している。

 OLAFの報告書は「欧州議会議員(ルペン氏)はレジエ氏が当該期間にこの契約による支払いを受けたことは一度もないと認めた」としている。

 同報告書によると、ルペン氏は未払いの議員報酬と未精算の経費を欧州議会から回収するための手段としてレジエ氏の契約を利用したという。

 ルペン氏は17日、「会計上の処理」があったことは認めたが、レジエ氏の契約が架空のものだったという指摘は否定した。

 この他にも欧州議会は、ルペン氏が2010~16年に仏パリ(Paris)のFN本部で働いていたカトリーヌ・グリゼ(Catherine Griset)氏に欧州議会の資金から給料を支払っていたとしている。欧州議会のこの指摘をきっかけにフランスで不正疑惑調査が始まった。4月23日と5月7日に行われる大統領選前の世論調査で優勢となっているルペン氏は、こちらの疑惑も断固として否定している。(c)AFP