【2月17日 AFP】先日家族と騒動を起こして逮捕された競泳の五輪金メダリスト、グラント・ハケット(Grant Hackett、オーストラリア)氏が、一時所在不明になった後に「無事にしらふの状態」で見つかったことが判明した。地元メディアが16日、父親のコメントとして伝えた。

 男子1500メートル自由形の元世界記録保持者である36歳のハケット氏は今週、両親宅で騒ぎを起こして一時的に勾留されていた。その後、医師や弁護士との面会に姿を見せず安否が心配されたが、無事に警察と連絡がついたという。

 豪ABCは、ハケット氏の父ネビル(Neville)さんのコメントとして、「息子が無事にしらふで見つかり、警察も喜んでいる。彼は警察に、ただ周囲から隠れたかったと話したそうだ」と報道。ハケット氏の所在が分からなくなったとして、16日に警察へ通報していたネビルさんは、「彼はわれわれを含めて、全員の目から隠れていた。とても恥じていると思うが、様子を見守っていく」と語ったと伝えた。

 五輪で通算2度の金メダルに輝くハケット氏は、泥酔して「手に負えないほど暴れまわった」として家族に通報されて逮捕されたが、15日に不起訴処分で釈放となった。兄のクレイグ(Craig)氏によれば、ハケット氏は精神面で問題を抱えており、もはや以前とは別人になってしまったという。

 ハケット氏は16日、インスタグラム(Instagram)に投稿した写真で、切り傷を負ってあざができている右目と乾いた血がついた鼻の自身の様子を公開し、「兄がメディアにコメントしているが、彼が俺を殴りやがったことを誰か知ってるか」と書き添えていた。

 2014年に6年ぶりとなる競技復帰を果たしたハケット氏は、オーストラリアの競泳史上最年長でリオデジャネイロ五輪を目指していたが、昨年4月に豪アデレード(Adelaide)で行われた国内選考会で惜しくも代表入りを逃した。そして直後の機内でビジネスクラスに搭乗していた乗客の乳首をつねる醜態をさらし、再びメディアの注目を浴びると、禁酒を誓っていた。

 釈放された後、報道陣に不明瞭な言葉で「あまり良くない。(リハビリの)必要があるかもしれない」などとつぶやいていたハケット氏について、オーストラリア五輪委員会(AOC)と豪水泳連盟(Swimming Australia)は手を差し伸べる意向を示した。

 AOCのジョン・コーツ(John Coates)会長は声明で、「グラントの心身状態を心配している。われわれが知り、尊敬しているグラントではない。グラントは偉大な五輪王者であり、史上最高の競泳選手の一人だ。現在遭遇している困難を乗り越えてくれることを願っている」と述べた。

 一方、豪水泳連盟のマーク・アンダーソン(Mark Anderson)CEOも、「最近の状況を受けて、再度グラントとご家族に連絡を取り、われわれのできる形で支援と援助を続けていくつもりだ」と語った。

 2008年の北京五輪後に現役を引退したハケット氏は、2000年シドニー五輪と2004年アテネ五輪の男子1500メートル自由形で連覇を果たしているほか、短水路の同種目でも4度の世界タイトルに輝いている。(c)AFP