【2月17日 AFP】五輪史上最も輝かしい成績を誇る米国の元競泳選手、マイケル・フェルプス(Michael Phelps)氏が、2020年の東京五輪へ意欲を示している――しかし、それは競技者としてではなく、自身のブランドの水着を販売する起業家としてだ。

 五輪で合計28個のメダルを獲得し、2016年のリオデジャネイロ五輪を最後に現役を引退したフェルプス氏は、今度はビジネスマンとしての成功を視野に入れており、競争の激しい商圏の中で、2020年大会やそれ以降のスター選手が、自身の水着を選ぶことを望んでいる。

 2014年から水泳用具メーカーの「アクアスフィア(Aqua Sphere)」社と提携を結んでいる31歳のフェルプス氏は、自身のブランドを立ち上げた仏パリ(Paris)で、「(競泳者としての)自分は終わっている」と述べると、新たなキャリアに踏み出して生き返ったような気分だと語った。

「どんどん熱意が増してきて、たくさんの時間とエネルギーを注いでいる。スポーツや水泳に携わっていることが楽しいんだ。この調子で残りの生涯を過ごしていくことになるだろうし、そう望んでいるよ」

 リオ五輪で自身がデザインした競泳着を着用し、金メダル5個と銀メダル1個を獲得して五輪のレジェンドとしての地位を確立したフェルプスは、当初は2012年のロンドン五輪で競技から引退するつもりだったが、「自分のウエアを着て、泳ぎに対する自信が増した」と説明。今後は競泳での20年間の経験を生かして、ビジネスの成功につなげたいとしている。

「テーブルを囲んでデザイナーやエンジニアと話し合うことは、最高の経験になっている。製品に対する自分の意見を誰かに聞いてもらう機会なんて、これまではなかった」

 フェルプスはまた、昨年自身のデザインに興味を示したオーストラリアの強豪選手もいたものの、契約中のスポンサーと衝突するのを避けるために使用を見送ったことも明らかにした。

「テクノロジーとスポーツは進化し続けている。世界最高の選手が自分たちの競泳着を身に着けてくれたら、自分の夢が現実になる」 (c)AFP/Thomas BACH