【2月16日 AFP】フランスのジャンマルク・エロー(Jean-Marc Ayrault)外相は15日、4~5月に行われる大統領選をめぐり、ロシアに対して昨年の米大統領選と同様の干渉を行わないよう強く警告した。米情報当局は、米大統領選でドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を勝たせるためにロシアが干渉したと結論づけている。

 エロー外相は国民議会(下院)で政府への質疑に答え、「われわれの選挙プロセスに対する干渉は、ロシアであろうがほかの国であろうが一切認めない」と強調。「米国で起きたことを踏まえれば、われわれの民主主義のプロセスの健全性が完全に尊重されるように、必要なあらゆる措置を講じるのがわれわれの責務だ」と述べた。

 大統領選の中道・独立系候補で親欧州派のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相(39)の報道担当者は14日、過去1か月間、陣営のウェブサイトや電子メールサーバーに対するサイバー攻撃が相次いでいると明らかにし、攻撃の背後にロシアがいると主張していた。

 さらに、ロシア国営の国際通信社「今日のロシア(Russia Today)」とスプートニク(Sputnik)について、誤った情報を流してマクロン氏の評判を傷つけようとしているとも非難していた。

 高い支持率を誇るマクロン氏の陣営はロシアの動きについて、最大野党・共和党など右派陣営の統一候補フランソワ・フィヨン(Francois Fillon)元首相と、極右政党・国民戦線から立候補しているマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首を後押しする狙いがあるとみている。両氏はいずれもロシアとの関係が深い。(c)AFP/Clare BYRNE and Gina DOGGETT