【2月12日 AFP】米政府による大規模な情報収集活動を暴露した米国家安全保障局(NSA)元職員のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者のロシアにおける弁護士が11日、ロシア政府がスノーデン容疑者をドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領への「贈り物」として引き渡すことを検討しているとの米報道を否定した。

 スノーデン容疑者がロシアに入った2013年から同容疑者の代理人を務めてきた弁護士のアナトリー・クチェレナ(Anatoly Kucherena)氏はロシアのインタファクス(Interfax)通信に対し「ロシアにはスノーデンを引き渡す法的根拠がない」と語った。

 クチェレナ氏は「この話はすべてよくある臆測にすぎない。誰かが希望的観測にふけっているのだ」と述べ、スノーデン容疑者は「ロシアで完全に合法的に生活している」と断言した。ロシアの入国管理局は今年1月、スノーデン容疑者の在留許可を2020年まで延長している。

 米NBCテレビは10日、機密情報報告書にアクセスできる米高官の証言を引用し、ロシアがトランプ大統領の「歓心を買う」ための策略を検討していると報じた。スノーデン容疑者の米国における弁護士ベン・ワイズナー(Ben Wizner)氏はNBCに対し、そのような計画は知らないと述べた。

 スノーデン容疑者は10日、ツイッター(Twitter)にNBCの報道は「私がロシアの情報機関と手を組んだことがないという抗論できない証拠だ」「スパイを売り払う国はない。残りのスパイが次は自分の番だと恐れるようになるから」と投稿した。

 マイケル・モレル(Michael Morell)元米中央情報局(CIA)副長官は今年1月、寄稿した記事の中でロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がトランプ政権の発足に合わせてスノーデン容疑者を米国に引き渡すかもしれないという見方を示した。これに対しロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官は「保護を求めている人の引き渡し提案」として非難していた。(c)AFP