【2月11日 AFP】ニュージーランド南島(South Island)北西端のゴールデン湾(Golden Bay)に11日午後、新たに200頭のクジラが打ち上げられた。クジラが新たに打ち上げられるのを防ごうと、サメの脅威をものともせずに海に入って「人間の鎖」をつくるなどして一日中奮闘していた人々に失望感を抱かせる結果となった。

 ニュージーランド環境保全局(DOC)は日没が迫ると、クジラを海に戻す作業を続けるのは危険すぎると判断。クジラを一晩放置することを決めた。

 今回の事態は10日、ゴンドウクジラ416頭がフェアウェル岬(Farewell Spit)に打ち上げられているのが発見されたことから始まった。大半はすでに死んだが約100頭が生き残っていた。

 11日、クジラが打ち上げられることで知られるこの岬にボランティアらが集まり、生き残ったクジラの救助活動に加わった。

 生き残っていたクジラは午前の満潮時に海中に戻されたが、沖合に集まっていた別の200頭のクジラの群れに合流した。

 救助活動に加わった人々はサメの脅威をものともせずに首の深さまで海に入って「人間の鎖」をつくり、生き残ったクジラを沖合に誘導するとともに、別の200頭が浜辺に近づかないようにした。

 DOCの広報担当ハーブ・クリストファーズ(Herb Christophers)氏は「みんなが、さらにクジラが死ぬことを防ごうと最善を尽くしたにもかかわらず、約200頭というゴンドウクジラの大きな群れが、打ち上げられてしまった」「打ち上げられたクジラの一部は救うことができるかもしれない。打ち上げられたクジラすべてを無事に海中に戻すことはできないかもしれない」と述べた。

 さらに同氏は「一部のクジラを助けることができたとしても、今回起きたようなことがあればまた打ち上げられ、救出活動は長引き、クジラを救える可能性は低くなるかもしれない」と語った。(c)AFP/Marty MELVILLE