【2月11日 AFP】米太平洋軍(US Pacific Command)は10日、南シナ海(South China Sea)のスカボロー礁(Scarborough Shoal)付近で今週、中国軍機が米海軍の哨戒機と「安全でない」距離まで接近していたことを明らかにした。

 米国防総省のジェフ・デービス(Jeff Davis)報道官によると、ニアミスがあったのは8日、フィリピンと中国が領有権を主張するスカボロー礁付近で、両軍機は300メートル以内に接近したという。

 米太平洋軍のロブ・シュフォード(Rob Shuford)報道官は「中国軍のKJ200早期警戒機と米海軍のP3C哨戒機が南シナ海の公海上空で、米太平洋軍が『安全でない』と見なしている接近をした」「米海軍のP3Cは国際法に従い通常の任務を行っていた」と述べた。

 デービス報道官によると、中国軍機は米海軍機の「鼻先をかすめた」ようなもので、これにより米海軍機は「緊急旋回」を余儀なくされた。さらに同報道官は「(中国軍機の接近が)意図的だった証拠は一切見つかっていない」と述べ、このニアミスは「偶発的事故」とみられると付け加えた。

 中国国防省の高官は匿名で国営英字紙・環球時報(Global Times)に対し、中国機のパイロットは自機に接近する米軍機に対し「合法的かつ専門的」に対応したと述べ「米国が二国間の軍事関係を考慮し、両国の間での空と海における偶発事故の根本的原因を取り除くための具体的措置を採ることを望む」と付け加えた。(c)AFP