【2月11日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)は10日、スペインのサッカー界でここ1年にわたり、拘束力のある反ドーピング機関による薬物検査が行われていないことが明らかとなり、「警告」を発した。

 WADAは2016年3月、スペイン反ドーピング機関(AEPSAD)が規約を順守できていないと宣告していた。また、2015年12月から16年10月まで、スペインは無政府状態となっていたため、同国の反ドーピング法の改定には遅れが生じていた。

 さらにAEPSADは9日、国際競技団体が薬物検査の実施を引き継いだ他の競技とは異なり、国際サッカー連盟(FIFA)や欧州サッカー連盟(UEFA)といった団体がこれを拒否したと明かした。

 FIFAの権限は各国の代表チームに限られ、UEFAはレアル・マドリード(Real Madrid)やFCバルセロナ(FC Barcelona)を含む、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)やヨーロッパリーグ(UEFA Europa League)に出場するクラブの検査のみを行っている。

 WADAは、「世界をけん引するサッカーリーグで約12か月間検査が行われていないことは憂慮すべき」だとAFPに述べた。

「不認定の期間に、国際レベルのスペイン人選手の検査が確実に行われるようにするため、WADAはAEPSADと各国際競技団体間の協定締結に尽力した。いくつかの国際競技団体が協定へ署名しなかったことは非常に残念であり、これがスペインのいくつかの競技において、反ドーピングプログラムが効力を発揮することを妨げている」

 AEPSADによれば、今季のサッカー1部リーグでは57選手が検査の対象となった。

 しかしながら、AEPSADが認定を受けていないため、同機関のマドリード(Madrid)にある研究所で検査が行われた場合、その結果は無効となってしまう。(c)AFP