【2月10日 AFP】オンライン百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」は8日、英紙デーリー・メール(Daily Mail)と同電子版の記事を情報源として使用することを禁じる案を可決したと発表した。

 声明によると、ウィキペディア英語版の編集者たちはデーリー・メールの報道について「事実確認に乏しく扇情的で、まったくの作り話」である点を禁止理由に挙げている。さらに「ウィキペディア英語版内で『信用できる情報源』としてデーリー・メールが参照されることは今後、概してなくなるだろう。サイト内で現在、デーリー・メールを出典としている引用を、ウィキペディア周辺が信用する別の情報源からの引用に置き換えるよう、ボランティア編集者たちに奨励する」としている。

 ウィキペディアの編集ガイドラインによれば、「決して使用するべきではない」とされているニュースメディアは、米大衆紙「ナショナル・インクワイヤラー(National Enquirer)」のみとなっている。

 ウィキペディアの内容は有志による世界的なネットワークによって執筆・編集されており、有志らには「事実確認と正確さに定評がある、信用できる第三者が公開した情報」を基に執筆することが求められている。

 デーリー・メールのオンライン版は特に世界的に人気が高い。しかし同紙の信用性をめぐっては、2015年1月以降、ウィキペディアの編集者たちの間で議題となっていた。同紙はこれまでのところAFPの取材依頼に応じていない。(c)AFP