【2月10日 AFP】仏パリ(Paris)の観光名所エッフェル塔(Eiffel Tower)に、今秋にも高さ2.5メートルの防弾ガラス製フェンスが設置されることになった。2015年11月の同時襲撃事件以来、警戒が続く中、市のシンボルを攻撃から守る目的だが、美観を損ねかねないと懸念する声も上がっている。

 パリ市当局の9日の発表によると、フェンスはエッフェル塔の北側と南側の2か所に建設。費用は約2000万ユーロ(約24億2000万円)と見込んでいる。昨年のサッカー欧州選手権(UEFA Euro 2016)の際に設置した西側と東側の「優美とは言えない」仮設フェンスも、華麗なものに取り替えるという。

 ジャンフランソワ・マルタン(Jean-Francois Martins)副市長は記者会見で「パリではテロの脅威が依然として高い。エッフェル塔をはじめ、最も狙われやすい施設には特別な保安対策が必要だ」と指摘。防弾ガラス製フェンスを設置することで、年間600万人が訪れるエッフェル塔への人や車による攻撃を防げると語った。

 ただ地元では景観への影響を案じる意見も出ている。大衆紙パリジャン(Le Parisien)は、フェンスによってエッフェル塔が「要塞」と化すことを心配する一部議員の声を伝えている。(c)AFP/Fabienne FAUR