【2月10日 AFP】バイアスロン世界選手権(IBU World Championships Biathlon in Hochfilzen)は9日、オーストリア・ホッホフィルツェン(Hochfilzen)で混合リレー決勝が行われ、ソチ冬季五輪で2冠を達成したマルタン・フールカデ(Martin Fourcade、フランス)が、3位に入ったロシアチームが表彰台に立った瞬間に式を途中退席した。これにより、ロシアによる国家ぐるみのドーピングをめぐる緊張がさらに強まる形となった。

 世界選手権で通算10個の金メダルを獲得し、2011年以降のバイアスロンW杯(IBU Biathlon World Cup)では5年連続で総合優勝を果たしているフールカデは、銅メダルに輝いたロシアチームが表彰台に上がると、台上から下りて表彰式を後にした。

 一方、ドーピング違反による2年間の資格停止処分から競技に復帰したアレクサンダー・ロギノフ(Alexander Loginov)をメンバー含むロシアチームも、薬物違反への対応をめぐって国際バイアスロン連合(IBU)を批判していたフールカデとの握手を拒否していた。

 スプリントでフールカデに敗れたロシアのアントン・シプリン(Anton Shipulin)は「私たちのチームは大家族のようなものであり、その一員に対して、誰かが政治的に正しくない振る舞いをすれば傷つく」と語った。

 一方、レース中の衝突でロギノフが転倒したことで、シプリンから非難されたフールカデは、「私が何をしたというのか説明してくれますか?」としたうえで「ロギノフに対しては、レース中に何も悪いことはしていない。仮にしていたとすれば、フランスチームは2位に位置付けられなかっただろう」と応戦した。

「ロシア連盟の会長が先週、ロギノフに関するツイートをした私への制裁をIBUに求めたことがあったのを思い出してもらいたい。きょうはロシア選手たちが私との握手を拒んできた」

「ここ数日は、ソーシャルネットワーク上で多くの侮辱を受けてきたが気にしていない。きょうは、彼らが私と握手するのを拒否したのにもかかわらず、誰も競技について話していないのがただ悲しい」 (c)AFP