【2月10日 AFP】オーストリア警察は9日、同国ホッホフィルツェン(Hochfilzen)で開催されているバイアスロン世界選手権(IBU World Championships Biathlon in Hochfilzen)に出場しているカザフスタン代表のホテルを強制捜索し、ドーピング関連の器具などを押収したと発表した。

 警察の広報担当者によると、オーストリアの反ドーピング規則違反と不正行為の疑惑がカザフスタンチームに浮上したことを受け、警察官30人が8日夜に捜索を行い、9日の混合リレーに出場した同国代表の部屋から医療器具と薬物のほかに携帯電話を没収したとしている。さらに、国境付近で発見されたカザフスタンチームのものと思われるワゴン車の捜索でも、関連証拠を押収したことを明らかにした。

 リチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏の報告書で、ロシアの組織的なドーピング違反が暴かれ、2021年のバイアスロン世界選手権の開催権が同国から剥奪されるなど、バイアスロン界ではすでに暗雲が広がっている。カザフスタンも数件のドーピング違反を指摘されているが、これまで何の問題もないと疑惑を否定している。

 カザフスタンは昨年、男子重量挙げの選手が2012年ロンドン五輪の金メダルを剥奪されているほか、自転車競技でもドーピングが繰り返されており、そのほかのスポーツについても疑惑の目が向けられている。

 カザフスタンバイアスロン連盟(KBF)の事務局長は、「昨日、連邦警察が選手全員の部屋を捜索した。チームドクターの部屋から薬物が発見されたが、医師はこれらの薬に関する文書はすべてそろっていると述べており、われわれは心配していない。捜査の結果を待っているところだ」と語った。(c)AFP/Keyvan NARAGHI