【2月9日 AFP】ロシアの野党勢力指導者で横領罪に問われたアレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)被告(40)の再審で、中部の都市キーロフ(Kirov)の裁判所は8日、執行猶予付き禁錮5年の有罪判決を言い渡した。ナワリヌイ被告は来年の大統領選に立候補する意向を示しているが、今回の有罪判決で出馬は難しくなった。

 ナワリヌイ被告と実業家のピヨートル・オフィツェロフ(Pyotr Ofitserov)被告は、ナワリヌイ被告がキーロフ州知事の顧問を務めていた時期に材木取引で1600万ルーブル(約3000万円)を州予算から横領したとして、2013年に有罪判決を受けた。ナワリヌイ被告らはこれを不服として欧州人権裁判所(ECHR)に提訴。人権裁は昨年、公正な裁判ではなかったとして判決を無効としていた。

 しかし、ロシアの最高裁判所は両被告の裁判の再審を命令。それを受けた今回の裁判で、裁判官は前回とまったく同じ内容の判決を下した。判決文で用いた表現もほぼ同じだった。

 ナワリヌイ被告は昨年12月、来年3月に予定される大統領選への立候補を表明。この裁判について、大統領選から自身を締め出すことを狙ったものだと批判していた。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領はまだ出馬を表明していないものの、4期目の選出が確実視されている。

 ロシアでは有罪となった被告が公職に立候補することは法律で禁じられている。ナワリヌイ被告は上訴する考えを示し、活動も続けていくと言明した。

 ナワリヌイ被告は2011~12年に行われた大規模な抗議活動を率いて名を上げ、ロシア政府批判や反汚職運動を展開している。(c)AFP/Anna MALPAS