【2月6日 AFP】今季限りでの現役引退を表明している米プロバスケットボール協会(NBA)、ロサンゼルス・クリッパーズ(Los Angeles Clippers)のポール・ピアース(Paul Pierce)が5日、長年所属した古巣ボストン・セルティックス(Boston Celtics)の本拠地ボストン・ガーデン(Boston Garden)でのレギュラーシーズン最後の試合に臨み、涙を浮かべながらボストン(Boston)の地に別れを告げた。

 セルティックスで15シーズンを過ごし、2008年にはファイナルMVPを獲得してチームをNBA王者に導いた39歳は、この日は先発で出場。最初の5分間プレーしたあと、コート中央に口づけをして交代で下がった。会場ではピアースのこれまでを振り返る映像が流れ、ファンがスタンディングオベーションでたたえると、ベンチのピアースは感極まった表情を見せた。

 後半に入ると、ほとんどの時間帯でファンが「ポールが見たい」「ありがとうポール」とコールし、クリッパーズのドック・リバース(Doc Rivers)ヘッドコーチ(HC)もそれに応える形で残り20秒からピアースを再投入した。ピアースも3ポイントシュートを決めて声援に応え、ボストンでの連続得点記録を最後まで保った。

 ピアースは、「チャンスをくれたHCに感謝したい。おかげで出場してシュートを決めることもできた。世界最高のファンの前で15年間もプレーできたのは本当に最高だった。ファンはきょうも最高だったよ。みんなからは愛を注いでもらった」と話した。

 ピアースは18年に及ぶNBAでのキャリアで、1試合平均20.0得点、5.7リバウンド、3.6アシスト、1.3スティールの成績を残し、セルティックスでは球団史上2位となる得点数を積み重ねた。退団後はブルックリン・ネッツ(Brooklyn Nets)、ワシントン・ウィザーズ(Washington Wizards)を経て、クリッパーズでプレーしているピアースだが、ボストンほど彼を愛した土地はない。

「ここでは一瞬一瞬すべてが楽しかった。最高のファンだ。みんなも、僕のこれまでのすべてを楽しんできたと思う。最後にもう一度ここへ戻ってこられて本当に良かったし、こんなにも良くしてもらえた」

 試合はセルティックスが107-102で勝利。球団記録となる52本の3ポイントシュートを放ち、そのうち16本を沈めたセルティックスでは、アイザイア・トーマス(Isaiah Thomas)が28得点を記録した。これで7連勝としたセルティックスは、戦績を33勝18敗に伸ばし、前年ファイナル王者のクリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)と2ゲーム差の東カンファレンス2位を守っている。

 敗れたクリッパーズでは、ブレイク・グリフィン(Blake Griffin)とジャマール・クロフォード(Jamal Crawford)が23得点を稼いだものの、最後まで一度もリードを奪うことができなかった。31勝20敗のクリッパーズは、西カンファレンス5位となっている。(c)AFP