【2月6日 AFP】イタリア沿岸警備隊は5日、前日からの2日間で地中海(Mediterranean Sea)を船で渡ろうとした移民・難民約1500人を救助したと発表した。海の状態が悪化するため渡航が減る冬季としては異例の多さで、今月1日以降に救出された移民・難民は計4500人となった。

 リビア沿岸警備隊は4日、欧州を目指したアフリカからの移民400人余りの渡航を阻止したと発表していたが、同日中に新たに600人が同警備隊などによって救助された。さらに翌5日には、壊れそうな船3隻に乗った移民900人が「地中海EU海軍部隊(Eunavfor Med)」に参加しているスペインの軍艦や、商船などに救助された。

 欧州連合(EU)は3日、マルタで開いた首脳会談で、リビアからイタリアに大量の移民がたどり着いている問題について、密航業者の「ビジネスモデルの打破」を含む流入抑制策で合意。昨年はこうした業者の仲介により、主にアフリカからの移民18万1000人がリビアとイタリアを経由して欧州に渡っていた。

 会談ではこのほか、リビアの沿岸警備隊による移民船阻止の能力向上のため、資金や訓練を提供することなども決まった。

 ただ人権団体は、無法状態のリビアと協力して移民流入を阻止するEUの取り組みを批判しており、移民船を追い返せば子どもを不衛生な移民拘留施設に送り返す結果となりかねないと警告している。(c)AFP