【2月3日 AFP】インド南部タミルナド(Tamil Nadu)州の沿岸で3日、学生や漁師ら数百人が流出した原油の除去作業に当たった。環境活動家らによると毎年この沿岸でウミガメの産卵が行われており、原油流出による影響が懸念されるという。

 インドの沿岸警備の発表によると、先週石油タンカー2隻が衝突して原油が流出し、州都チェンナイ(Chennai)の沿岸約35キロにわたって被害が出たという。活動家や漁師らは被害を食い止める政府の対応が遅いと非難している。

 ある環境活動家がAFPに語ったところによると、この時期はインド南部の海岸へ産卵に訪れたオリーブヒメウミガメの営巣活動のピークシーズンに当たるという。

 世界自然保護基金(WWF)インド支部によるとオリーブヒメウミガメは世界中に多数生息している種だが、近年生息数が減っており、国際自然保護連合(IUCN)が作成する世界の野生動植物の絶滅危機の度合いを示す「レッドリスト(Red List)」では「危急種」に指定されている。(c)AFP