【2月3日 AFP】テリーザ・メイ(Theresa May)英政権は2日、昨年の国民投票で決定した英国の欧州連合(EU)離脱に向けた方針を示す「白書」を公表した。

 77ページから成る白書は、メイ首相が先月の演説で発表した12項目の交渉目標を明文化した内容。同文書を議会に提出したデービッド・デービス(David Davis)EU離脱担当相は、「英国とEUの相互利益に資する、新しく前向きで建設的なパートナーシップ」を目指す英政府の方針を表明した。

 白書では、EU離脱後に起きる貿易摩擦を解消するための新たな仕組みの創設と、移民と関税の関連法の制定を目指すと表明。また、EUからの移民流入を制限するため、欧州の単一市場から脱退する方針を示した。EUから英国への移民流入数は、昨年6月までの1年間で28万4000人に上っている。

 白書にはさらに、英国はEU以外の国々と独自の貿易協定を結んでいけるよう、EUと関税に関する新合意の締結を目指していくと記されている。

 英下院は前日の1日、EUからの離脱をEUに通知する権限をメイ首相に与える法案を可決した。下院ではさらに、週明け6日からの3日間で数十項目に上る修正点が議論される予定。同法案はその後上院に送られ、今月20日から審議が始まる。政府は来月7日までに上院の承認を得たい考えだ。(c)AFP/Robin MILLARD