【2月1日 AFP】今年4~5月に行われるフランス大統領選で最有力候補とされていた右派・共和党のフランソワ・フィヨン(Francois Fillon)元首相(62)が、自身の家族に勤務実態のない仕事で、公金から総額約100万ユーロ(約1億2000万円)の給与を支払っていたとする疑惑が生じ、窮地に立たされている。当初指摘されていた妻に加え、子どもたちにも不正な給与を支払っていたとの疑惑も新たに報じられた。

 地元週刊紙カナール・アンシェネ(Canard Enchaine)は先週、ぺネロプ(Penelope Fillon)夫人が1998~2007年に約50万ユーロ(約6100万円)を給与として受け取っていたと報じた。しかし1日付の最新号では、給与を受け取っていた期間はそれよりも7年長く、総額は83万ユーロ(約1億円)超に上ると伝えている。

 さらに同紙は、フィヨン氏の5人の子どものうちの2人にも議会スタッフとして計8万4000ユーロ(約1000万円)が支払われていたと指摘。そのうちの一人は同氏が2005年に上院議員に当選した直後に採用されたとされ、その2年後にもう一人が仕事を引き継いだという。

 捜査当局は、同紙による先週の報道を受けて議会を捜査し、書類を押収している。

 フィヨン氏は以前から大統領選の最有力候補とされ、5月の決選投票で極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首と争うとみられてきたが、今回の疑惑によって支持に陰りがみられる。(c)AFP/Guy JACKSON, Gina DOGGETT