【2月1日 AFP】米独立系シンクタンク、エコノミック・ポリシー・インスティテュート(EPI)は1月31日、米国では中国に対する大幅な貿易赤字により、2001~2015年に340万人の雇用が失われたとする報告書をまとめた。米国では折から、国内の雇用が中国などに流れていると批判するドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が貿易政策の大転換に乗り出している。

 報告書によると、中国からの輸入品への依存が深まっていることや、中国の不公平な貿易慣行が米製造業の空洞化につながっている。貿易赤字で失われた雇用のうち、4分の3を製造業が占めたという。

 トランプ氏は従来の貿易政策について、米産業の雇用が中国やメキシコに流れる元凶になっていると主張し、その性急な転換を進めている。報告書の内容はそれと軌を一にする形となった。

 米国の2001~2015年の対中貿易赤字は前の15年の4倍強に当たる4832億ドル(約54兆6000億円)にまで膨らんでいる。

 米労働省の統計によると、製造業部門はバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領が就任した金融危機の最中の2009年1月から縮小しているが、同部門の雇用者数は2010年2月以降に80万人増えている。(c)AFP