【2月1日 AFP】英国で、過去に存在した同性愛行為禁止法の下で有罪とされた男性同性愛者を赦免する新法が1月31日に施行され、既に他界している数万人が死後恩赦を受けた。

 第2次世界大戦(World War II)の英雄アラン・チューリング(Alan Turing)にちなみ「チューリング法」と呼ばれている新法は、「警察活動および犯罪法」を改正するもので、イングランド(England)とウェールズ(Wales)の両地方で有罪とされた人を対象としている。新法により約4万9000人の男性が赦免される見込みだが、活動家らが求めていた存命中の人々への自動適用は認められず、こうした人々は個別に赦免を申請する必要がある。

 司法省のサム・ジマ(Sam Gyimah)政務次官は、「真に重要な日だ。(反同性愛法により)引き起こされた害をなかったことにはできないが、われわれは謝罪し、これらの過ちを正すために行動を起こした」と述べた。

 第2次世界大戦で暗号解読者として功績を残した数学者のチューリングは1952年、19歳の男性との重大わいせつ行為で有罪となったが、刑務所には収監されず化学的去勢の措置を受けた。その2年後に青酸中毒で死亡し、自殺したとみられている。2013年にエリザベス女王(Queen Elizabeth II)から死後恩赦が与えられ、他の男性に対する同様の恩赦を求める声が高まるきっかけとなった。(c)AFP