【1月29日 AFP】カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は28日、カナダは難民を歓迎するという温かいメッセージをツイッター(Twitter)に投稿した。前日に難民と大勢のイスラム教徒の米入国を一時禁止する大統領に署名したドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領とは著しく対照的だ。

 トルドー首相は、「迫害やテロ&戦争から逃れてきたみなさん、カナダ人は信仰にかかわらずあなた方を歓迎します。多様性はわが国の強みです。#WelcomeToCanada」とツイートした。

 トランプ氏が27日に署名した大統領令は、難民の受け入れを少なくとも120日間停止し、国民の大半がイスラム教徒のイラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの出身者の入国規制を新たに強化する内容で、あからさまな差別だとの批判が高まっている。

 トランプ氏の署名以降、名指しされた国々からの旅行者たちは米国行きの飛行機への搭乗を拒否されており、各地の空港で怒れる人々による抗議デモが行われ、拘束される人も出ている。

 カナダのウエストジェット航空(WestJet)は28日、トランプ氏の大統領令に従うと発表。この新政策によって米国行きを阻まれた乗客に運賃全額を返金するという。同社はすでに乗客1人の米国行きの搭乗拒否を余儀なくされたが、その国籍などは明らかにしていない。

 カナダが2011年に実施した世論調査によると、カナダ人の5人に1人が外国生まれだという。カナダ政府の統計によると、カナダは2015年11月から2017年1月初めまでに、3万9670人以上のシリア難民を受け入れている。(c)AFP