【1月28日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は27日、訪米中のテリーザ・メイ(Theresa May)英首相とホワイトハウス(White House)で会談した。トランプ氏が外国首脳をホワイトハウスに招き会談したのはこれが初めて。

 就任後初の外交舞台としてメイ首相を迎えたトランプ大統領は、英国との「最も特別な関係」を賞賛。同国の欧州連合(EU)離脱を「素晴らしいこと」と呼び、「(EU離脱への障害が)解消されれば、英国の主体性が戻り、望ましい人々だけを国内に残すことができる」と述べた。

 一方のメイ首相は、両国間に深い意見の相違がある拷問や対ロシア姿勢などの話題を避け、米英の貿易や防衛に関する協力を取り付けるべく、友好関係の演出に終始。エリザベス女王(Queen Elizabeth II)がトランプ大統領を国賓として年内に英国に招待する意向を伝えた。両首脳はホワイトハウス西棟の柱廊で、一瞬ながら手をつなぎ歩く姿さえも見せた。

 しかしメイ首相は同時に、一連の外交上の目的を携えて会談に臨んだ。米国と欧州の関係はこのところ、トランプ氏の大統領選勝利や、リベラル(自由主義)的世界秩序の基盤となる北大西洋条約機構(NATO)や国連(UN)などの組織の見直しに意欲を見せる同氏の姿勢に揺さぶられている。

 首脳会談後の共同記者会見では、トランプ大統領がこうした話題について言及をほぼ避けた一方で、メイ首相は会談中に話し合った内容を公言。「われわれはこの連合に対する揺るぎない関与を再確認した」「トランプ大統領、私はあなたがNATOに対する100%の支援を確約したと考えている」と表明した。(c)AFP/Alice RITCHIE /Andrew BEATTY