【1月27日 AFP】訪米中の英国のテリーザ・メイ(Theresa May)首相は26日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領との会談を前にペンシルベニア(Pennsylvania)州フィラデルフィア(Philadelphia)での共和党の会合で演説し、世界の安全保障についてトランプ氏の主張に理解を示し、米国の同盟国はこれまでより大きな役割を果たすべきだと述べた。

 トランプ氏が北大西洋条約機構(NATO)に懸念を示したことについてメイ首相は部分的に同意する見方を示した一方で、トランプ氏がロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に接近していることに対しては、米政府は「関与すべきだが注意すべき」とくぎを刺した。

 メイ首相はまた、トランプ氏が世界の安全保障における米国の防衛費負担に不満を示していることに同調し、「われわれを強固にしている同盟関係を、(同盟国が)自らが担う部分の増大とその遂行を怠ることによって弱体化させるべきではない」と述べた。

 一方、NATOや国連(UN)などの国際機関の在り方を見直す必要があることには理解を示しつつも、テロや気候変動などの世界的な脅威に対する協力を推進するうえでそれらは必要不可欠だと述べた。

 今回の訪米については英国内で議論を呼んだが、メイ首相は米英間の「特別な関係」の維持にトランプ氏も尽力するとの自信をのぞかせ、専用機に同乗した記者団に対して「ときに相反するものが引き寄せ合う」と述べていた。

 メイ首相は27日、外国の首脳として初めてトランプ大統領と会談する。(c)AFP/Alice RITCHIE