【1月23日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)、男子シングルス4回戦で大会第1シードのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)から金星を奪ったミーシャ・ズベレフ(Mischa Zverev、ドイツ)が、自身の復活の裏には弟アレクサンダー(Alexander Zverev、ドイツ)による大きな後押しがあったと打ち明けた。

 世界50位のズベレフは22日、昨季のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)とリオデジャネイロ五輪の王者マレーを7-5、5-7、6-2、6-4で撃破。試合を通してネットに出た回数は驚異の118回を記録した。

 度重なるけがに苦しみ、一時は世界ランク1000位以下に低迷するも、四大大会(グランドスラム)初の準々決勝進出を果たす見事な復活を遂げた29歳のズベレフは試合後、「プランBがないのはわかっていた。私はベースラインにとどまることができない。ベースラインから数フィート下がって彼とラリーをするというのはね」と語った。

 また、マレーからの金星はキャリア最高の勝利だというズベレフは、「彼はフィジカル的にも非常に強く、ベースラインの打ち合いが得意。自分が前に出て行かなくてはならないと理解していたし、それこそが勝利する唯一の可能性だった。だから正直言って、私にプランBはなかった。それ(前に仕掛けること)しか私にはできないから」と話した。

 2014年に手首を負傷してラケットが握られなくなったズベレフは、過去に肋骨(ろっこつ)骨折やヘルニア、膝の故障も経験。しかし、下部のフューチャーズ大会を転戦するジュニア選手を指導する期間を経て、もう一度選手として挑戦することを決意した。

 見事な復活を果たしたズベレフだが、その裏には今大会3回戦でラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)と死闘の末に敗れた世界24位の弟アレクサンダーの存在があったという。

 ズベレフは、「弟に『戻って来れるよ。再びトップ100に復帰して、素晴らしいプレーヤーになれる』と言われたんだ。彼には本当に多くの感謝を伝えなくてはならない」と19歳のアレクサンダーに言及すると、「自分があまりうまくいっていないときでも、彼はハレ(Halle)の決勝でプレーし、準決勝ではロジャー<ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス>を破っていた。とにかく、それが前向きな気持ちにさせてくれたんだ」と明かした。(c)AFP