【1月23日 AFP】メキシコ西部の海辺のリゾート、マンサニージョ(Manzanillo)の近くで乗り捨てられていたタクシーの中から、頭部のない7体の遺体が発見された。同国にまん延する麻薬がらみの暴力による犠牲者とみられる。地元当局が22日、明らかにした。

 同市の警察当局者カルロス・エレディア(Carlos Heredia)氏はAFPに対し、「遺体は切断されていた。頭部が切り落とされていたようだ。犠牲者の一人は女性だ」と語った。

 コリマ(Colima)州検察局は、遺体の身元をまだ特定していないという。

 同氏によると、21日朝にマンサニージョからシウアトラン(Cihuatlan)に通じる道路上で発見された車両には、勢力を拡大し続ける麻薬カルテル「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」の署名が入ったメッセージが残されていた。

 マンサニージョが位置する太平洋に面した小さな州、コリマ州では、同麻薬カルテルが原因とみられる殺人が急増している。

 ハリスコの内部抗争に関係する殺人は、この半年で増加したとする警察の記録もある。

 同国最大の麻薬密売組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」は、かつてハリスコと同盟関係にあった。シナロアの元最高幹部で「エル・チャポ(El Chapo)」の通称で知られるホアキン・グスマン(Joaquin Guzman)受刑者が最近、米国へ引き渡されたことを受け、今後はハリスコとの勢力争いが勃発することも予想される。ハリスコの現在の資産総額は、500億ドル(約5兆7000億円)と推定されている。(c)AFP