【1月21日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)に臨む錦織圭(Kei Nishikori)は、数年前をほうふつさせる見事なパフォーマンスを見せたロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)を止めるために、厳しい戦いに臨むことになる。

 フェデラーは、20日に行われた男子シングルス3回戦で大会第10シードのトマス・ベルディハ(Tomas Berdych、チェコ)を6-2、6-4、6-4と粉砕。錦織は数ポイント見ただけで、四大大会(グランドスラム)の最多優勝記録者の復活を実感した。

 同日の試合でルーカス・ラッコ(Lukas Lacko、スロバキア)を退け16強に進出し、フェデラーとの対戦が決まった第5シードの錦織は、「確実に簡単にはいかないと思います。今日の彼はかなり良いテニスをしていました。見たのは数ポイントだけです。とはいえ、ロジャーとプレーできるのはいつだって素晴らしいことですし、自分にとって大きなチャレンジです。彼がツアーにいてほしいとみんな思っているので、彼と試合ができるのはただただうれしいです。100パーセントの状態の彼が戻ってきたのが見られてうれしいです」とコメントした。

 フェデラーはベルディハを相手にブレークポイントを握られることもなく、ファーストサービスのポイント率95パーセントを記録し、長期の負傷離脱から復帰して初めてとなった試練を軽々と乗り越えた。

 35歳のフェデラーはフォアとバックで同数のウイナーを打ち込むと、23本中20本のネットポイントを獲得し、ラリーの数字ではすべてでベルディハを上回った。熟練のパフォーマンスを前に、ベルディハは首を振りながらコートを後にしていった。

 それでも、22日の対戦でフェデラーはよく走る錦織を簡単にあしらえることはないだろう。

 27歳と脂が乗り、初のグランドスラム制覇を目指す錦織は、これまでフェデラー戦で6戦2勝としており、今季はブリスベン国際(Brisbane International 2017)で決勝に進出して、好調な出足を見せている。

 ラッコ戦では少々手こずったものの、2時間11分のストレート勝利を飾り3年連続の準々決勝進出へあと一つと迫っている。

 第17シードのフェデラーは、世界ランキングで上位につける錦織が本命だとしたらと問われると、「もちろんさ、彼が本命さ。多分ね」と応じた。

「どうだろう、どっちでも構わない。ケイと戦うことに変わりない。彼が本命なのか、私が本命なのか、私は知らない。彼がここ最近、良いテニスをしているのは確実だ」

「とはいえ、新しいシーズンだ。やってみないと分からない。私は彼のテニスの大ファンだ。最高のバックハンドを持つ一人だね。クロスコートに、ダウンザラインにたたき込むところが大好きなんだ。セカンドサービスのリターン力が素晴らしい。足の運びも素早く、精神的な強さがある。彼と試合をするのはどれほど厳しいかは心得ている。止めるのは簡単ではない」 (c)AFP/Talek HARRIS