【1月21日 AFP】米検察当局は20日、潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)前国連事務総長の実弟、バン・ギサン(Ban Ki Sang)被告の逮捕を韓国に要請したと明らかにした。バン・ギサン被告はニューヨーク(New York)で賄賂を贈ろうとしたとして起訴されていた。

 韓国の建設会社、京南企業(Keangnam Enterprises)の幹部のバン・ギサン被告とその息子でマンハッタン(Manhattan)の不動産仲介業バン・ジュヒョン(Joo Hyun Bahn)被告は、ベトナムの首都ハノイ(Hanoi)の8億ドル(約920億円)のビルを売却するために贈賄をもくろんだとして今月10日に起訴された。

 検察は20日、ニューヨークの連邦裁判所で行われた審理でバン・ギサン被告はまだ逮捕されていないと述べ、逮捕を韓国側に要請したことを明らかにした。

 検察によると、この国際的な贈賄計画は2013年3月から2015年5月の間に行われた。バン・ギサン被告らは中東のとある王国の高官に京南企業が建設・所有していた商業施設複合マンションを購入させようと共謀し、賄賂を贈ろうとした。

 米検察によると、バン・ギサン被告とバン・ジュヒョン被告の親子はニューヨークに開設された口座にまず50万ドル(約5700万円)を韓国から送金し、売却成立のあかつきにはさらに200万ドル(約2億3000万円)を渡すことにしていた。しかしこちらも起訴されている自称・仲介人の米国籍のマルコム・ハリス(Malcolm Harris)被告が賄賂を着服し、自分のぜいたくのために使い込んだ。

 結局マンションの売却は成立せず、京南企業は資金繰りが行き詰まって韓国の裁判所の管理下に置かれた。(c)AFP