【1月21日 AFP】(更新)韓国当局は21日、弾劾訴追された朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領を批判した文化人約1万人の「ブラックリスト」を作成したとして、趙允旋(チョ・ユンソン、Cho Yoon-Sun)文化体育観光相(50)を、職権乱用などの疑いで逮捕した。聯合(Yonhap)ニュースが報じた。

 韓国で現役の大臣が逮捕されたのは趙容疑者が初めて。趙容疑者は逮捕の直後に文化相を辞任した。

 趙容疑者は、朴大統領を批判した文化人を政府の監視下に置き、助成金や民間投資を剥奪するための膨大なリストを作成したとされる。

 同リストの存在は、朴大統領の父親の朴正煕(パク・チョンヒ、Park Chung-Hee)大統領を含む各政権がニュースや文化・芸能に対する厳しい検閲体制を敷いた1960~80年代の独裁軍政時代をほうふつとさせるもので、韓国で怒りの声を巻き起こした。

 聯合によると、ソウル中央地裁は、検察当局の申請を受け、職権乱用と偽証の容疑で趙容疑者に対する逮捕状を出した。

 また、保守派の朴大統領の元秘書室長で、趙容疑者に「左派寄り」文化人のリスト作成を命令したとされる金淇春(キム・ギチュン、Kim Ki-Choon)容疑者(78)に対する逮捕状も出された。

 韓国メディアの一部は、このリストの作成は朴大統領が命令または承認したと報道している。(c)AFP