【1月19日 AFP】国際自動車連盟(FIA)は18日、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の商業権を、米リバティメディア(Liberty Media)に80億ドル(約9200億円)で売却することを承認した。

 スイス・ジュネーブ(Geneva)で開かれた会合の後、FIAは声明を発表し、「世界モータースポーツ評議会(World Motor Sport CouncilWMSC)は、(F1グループの株主で商業権を保有する)デルタトプコ(Delta Topco)の支配権を変更し、CVCキャピタル・パートナーズ(CVC Capital Parners)からリバティメディアへ権利を移行させることを満場一致で採択した」と述べた。

「WMSCの決定は、メディア企業として名高く、スポーツとエンターテインメントの両面で専門知識を持つリバティ社が、今後もF1選手権を確実に発展させる安定した立場にあるとのFIAの信念を裏づけるものとなっている」

 今回の売却で、FIAが1パーセントの株を保有するデルタトプコは、株式の100パーセントをリバティメディアに譲渡することになる。

 リバティ社による買収計画は、同社の株主総会で承認された昨年9月の段階では疑問視されていたものの、今月17日には正式決定の運びとなっており、権利が移行されたことによって、F1の支配権は億万長者のジョン・マローン(John Malone)会長が握ることになる。

 今回の商業権の移行によって、リバティ社は世界的かつ高い利益が見込まれるF1の支配権を握り、広告料や放送権料から数十万ドルを稼ぐことになる。

 グッズの売り上げでも数百万ドルの利益が見込まれるF1だが、一部のチームは財政難に直面しているほか、次世代のファンを魅了するのに不可欠なソーシャルメディアなどのデジタルコンテンツでは活動が限られている。

 リバティ社は昨年9月、長年にわたってF1の最高責任者を務めた86歳のバーニー・エクレストン(Bernie Ecclestone)氏が業界に残ると話す一方で、新会長に21世紀フォックス(21st Century Fox)の副会長を務めたチェイス・キャリー(Chase Carey)氏を招へいすると発表していた。

 FIAは、英国人弁護士のマックス・モズレー(Max Mosley)氏が会長を務めていた1995年に、F1の商業権をエクレストン氏へ15年契約で譲渡しており、2000年にはさらに1世紀の契約延長を結んでいた。(c)AFP