【1月19日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は18日、2期8年の任期で最後となる記者会見を行い、ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領が米国の基本的な価値観を脅かした場合には自ら声を上げると約束するとともに、「私たちは大丈夫だ」と国民に語りかけた。最新の世論調査では支持率は2009年1月の就任以来最高に近い水準に上がっている。

 トランプ氏の大統領就任式を2日後に控え、オバマ氏が公の場に姿を見せるのはこれが最後。会見では「物を書きたいし、少し静かにしていたい。娘たちと貴重な時間を過ごしたい」と現在の心境を語った。

 その一方で、組織的な差別や投票権の侵害、報道の締め付け、若い移民の検挙といった動きがあった際には黙っていないと強調。「政治が正常に機能していればよいが、私たちの基本的な価値観を危機にさらしかねない問題や瞬間が生じたときは別だ」と力を込めた。

 トランプ氏がロシアとの関係改善を目指すと発言していることについて問われると、同氏への直接の批判こそ差し控えたが、自身もロシアと関係構築を試みたものの、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の復帰後「敵対的な考え方」に失望させられてきたと言及した。

 米CNNテレビと調査会社ORCインターナショナル(ORC International)が18日公表した合同世論調査によれば、オバマ大統領の足元の支持率は60%と、2009年6月以降で最も高くなっている。退任間際の大統領の支持率としても歴代で最高水準。(c)AFP/Andrew BEATTY