【1月19日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)は18日、男子シングルス2回戦が行われ、大会第14シードのニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)は、2セットを先取しながらも第3セット以降は失速し、最後はアンドレアス・セッピ(Andreas Seppi、イタリア)に6-1、7-6 (7-1)、4-6、2-6、8-10で逆転負けを喫すと、コートを去る際にはブーイングを浴びせられた。

 ふがいない敗戦を喫したキリオスに対し、テニス界の名選手として知られるジョン・マッケンロー(John McEnroe)氏は、解説を務めていたテレビ中継で「彼は途中で諦めてしまった。それが私には理解できないし、受け入れられない。テニス界の恥だ」と批判。これを受けてキリオスは「体が痛くてつらかったんだ。ジョン・マッケンロー氏は大したもんだな。素晴らしいキャリアがある。さすがだよ」と反論した。

 キリオスはまた、ブーイングを受けたことについても不快感をあらわにしており、「ああ、聞いていて最高の気分でないことは明らかだ。第5セットで10-8まで戦ってブーイングを浴びせられてしまっては、最高の気分になれるわけがない」と述べた。

 一方、2015年大会での同じ顔合わせでフルセットの末に敗れていたセッピは、記憶に残る勝利を収めたことについて「こうなる巡り合わせだったんだろう。厳しい試合でスタートはあまり良くなかった。リズムに乗れていなかったが、だんだん良くなっていった」とコメント。

 キリオスとの3時間9分に及んだ試合を制し、スティーブ・ダルシ(Steve Darcis、ベルギー)との3回戦に駒を進めた世界ランク89位のセッピは「前回は僕が2セットアップから負けていたので、今回は同じことをやり返してやろうと思った。粘り続け、最後は重要な場面でとてもうまくやれた」と語った。

■「自分のせい」

 昨年の上海マスターズ(2016 Shanghai Rolex Masters)で「無気力プレー」をするかんしゃくを起こしたキリオスは、出場停止処分が明けたばかりだが、現在も精神分析医の治療を受けている。

 しかし、動きが鈍かったと思われていたセッピが第3セットに一気に息を吹き返すと、キリオスは再び精神的なもろさを露呈。報道陣から突然調子を崩した理由を聞かれると、「調整不足だと思う。しっかり準備ができていなかった。自分のせいだ」と答えた。

「オフシーズンには、二度とやるつもりはないいくつかの課題をこなした。体調は万全とはいえない。経験で学んだよ」

 不適切な言葉を吐いて、主審のカルロス・ラモス(Carlos Ramos)氏から警告を受けたキリオスは、第3セットでサービスブレークを許すと、怒りでコートにラケットを投げつけ、ペナルティーを科された。

 そして次のセッピのサーブで試合の流れは変化。32歳のセッピは冷静さを維持し、キリオスが突然集中力を切らした好機をものにした。(c)AFP/Robert SMITH