【1月18日 AFP】2016年の国外旅行者の数が、4%増の12億人となった。国連世界観光機関(UNWTO)が17日、明らかにした。アジア人観光客がけん引したかたちだが、その一方で治安面での不安を背景に、欧州地域を訪れる人の数は減少した。

 外国人旅行者の増加は7年連続。経済危機と豚インフルエンザの影響で4%の減少を記録した2009年以降続いている。

 同機関によると、国外を訪れたアジアからの旅行者は2015年に比べて8%上昇した。

 世界で最も観光者が訪れたのは欧州で、次に人気があったのはアジア太平洋地域。欧州への外国人旅行者は昨年、6億2000万人だったが、その伸びは治安への不安から縮小している。

 南北アメリカ大陸を訪れた人の数は前年比4%上昇。アフリカは2015年の治安面の不安による急落から回復し、同8%の伸びを記録した。中東は同4%減だった。

 国別の訪問者数は明らかにされなかったが、2015年はフランスがトップで、米国とスペインがそれに続いた。だがフランスは過去2年にわたり過激派による襲撃事件で重大な打撃を受けており、観光客数に影響がでることは必至だ。

 UNWTOによると、観光業は世界の国内総生産(GDP)の10%、世界貿易の7%、サービス輸出の30%を占めている。(c)AFP/Emmanuelle MICHEL