【1月18日 AFP】サッカーオランダ代表などを率いた経歴を持つルイス・ファン・ハール(Louis van Gaal)氏が、30年以上を過ごしたプロサッカー界から引退することを明かした。「家族が理由」だとしている。

 大衆紙テレグラフ(De Telegraaf)は、ファン・ハール氏本人の「仕事には戻らないと思う」というコメントを伝え、「指導者としてのキャリアにきっぱり幕を下ろした」と結論づけている。

 昨季までマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)の指揮を執っていたファン・ハール氏は、5月にFAカップ(FA Cup 2016-17)を制し、アレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)元監督の勇退以降では初となるタイトルをクラブにもたらしたが、直後に解任された。

 その後、おそらく中国とみられる東アジアのチームが3年5000万ユーロ(約60億円)の契約を示すなど、ファン・ハール氏の元には高額のオファーがいくつも届き、本人も監督業に戻ることを考えていたが、娘婿の一人が急逝したため、今は家族のことで頭がいっぱいだとしている。

 ファン・ハール氏は「契約を受けることもできたが、私はまだここにいる。いろいろなことが家族に起きたんだ。事実に向き合わなくてはならない。最初はやめるつもりで、そのあと『長期休暇』と言い直したが、今はもう仕事に戻るつもりはない」と述べた。

 65歳のファン・ハール氏は、オランダ代表を大会3位に導いたW杯ブラジル大会(2014 World Cup)でやめるつもりだったと明かし、「そのあと、イングランドから連絡が入った。美しい国だし、あの国で指揮を執ったことはまだなかった」と続け、FAカップ優勝は「キャリア最高の栄誉だった」と語った。

 指導者時代にファン・ハール氏は、尊大な態度と歯に衣着せぬ物言い、記者会見での素っ気ない回答で知られ、「鉄のチューリップ」という異名もあった。

 夢はすべて実現したかと問われると、ファン・ハール氏は「やりたいことは全部できたよ。仕事をしてきた国々や、指揮してきたクラブのレベルを自慢するわけではないが、やり残したことは一つもない」と答えた。 (c)AFP