【1月17日 AFP】米パンクロックバンドのグリーン・デイ(Green Day)が16日、ミュージックビデオを公開し、動画の中で故マーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr.)牧師の功績をたたえる一方、世界に危機が迫っていると警告してドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領を改めて批判した。

 公民権運動を率い、暗殺されたキング牧師の誕生日を記念した米国の祝日にグリーン・デイが公開したのは、楽曲「Troubled Times」のミュージックビデオ。人種差別撤廃を求める当時の歴史的な行進の映像で始まり、その後、場面は、イスラム教徒の入国禁止やメキシコ国境の壁建設を提案しているトランプ氏に抗議する最近のデモの様子へと移る。さらに、顔がかき消されてはっきりしないものの、トランプ氏らしき人物が同氏の選挙スローガン「Make America Great Again(米国を再び偉大な国に)」の文字が入った帽子をかぶってスーツ姿で音楽に合わせて踊っている映像も挿入されており、核爆弾投下後のキノコ雲の映像で終わっている。

 北カリフォルニア(Northern California)で結成され、1990年代初頭にパンクロック復活のけん引役を果たしたグリーン・デイはこれまでにも、今月20日に米大統領に就任するトランプ氏を公然と非難する姿勢を取り続けてきた。

 昨年11月の大統領選直後に米音楽賞アメリカン・ミュージック・アワード(AMA)の授賞式でパフォーマンスを行った際には、「トランプにノー! KKK(クー・クラックス・クラン、米白人至上主義団体)にノー! ファシストのUSAにノー!」と何度も繰り返し、受賞式を中継していた放送局を慌てさせる場面もあった。(c)AFP