【1月17日 AFP】南極の棚氷上に設営されていた英国の研究基地が現在、内陸への移動を余儀なくされている。分離した氷山に乗って漂流する恐れがあるためで、今年冬季の運用は停止される見通しという。英南極調査所(BAS)が16日、明らかにした。

 BASの声明によると、南極冬季の3月から11月まで同基地に滞在する予定だった16人も基地から退去することになるという。

 2012年建設のこのハレーVI(Halley VI)観測基地は、巨大なスキー板を取り付けた支柱の上に建てられた、明るい青色と赤色のモジュール8個で構成されている。

 ハレーVI基地がある棚氷には、2012年と2016年10月に確認された2つの割れ目が存在する。8個の基地モジュールのうち7個はすでに、割れ目から23キロ離れた内陸まで、けん引車で運ばれた。

 BASは「基地に現在滞在中の人員や基地自体に、差し迫ったリスクはない」としながら、「次の南極冬季中に棚氷に起きうる事象については、BASが基地の運営計画を変更するに至るほど十分な不確定要素が存在する」「予防措置として基地を閉鎖し、南極の冬が始まる前に基地の人員を移動させることは、安全上の理由から賢明な対処だ」と今回の決定について説明した。

 BASによると、夏季期間内は人員を速やかに避難させることができるが、24時間続く暗闇、極度の低気温、海の氷結などが発生する冬季では、それが不可能になるという。

 ハレーVI基地には現在88人が滞在しているが、その大半は夏季限定の人員で、基地を離れることがすでに予定されていた。現在進行中の科学実験については、継続するために「あらゆる努力」をしていると、BASは述べている。

 ブラント棚氷(Brunt Ice Shelf)には1956年以降、6つのハレー研究基地が設置されている。ここでのオゾン層観測が、1985年の南極オゾンホールの発見につながった。同基地は、気候変動の重要な監視拠点となっている。(c)AFP