【1月16日 AFP】多額の資金を投じて有名選手を買い集めている中国スーパーリーグ(1部)で、同時にピッチに立てる外国籍選手の人数が来シーズンから削減されることがわかった。16日、中国サッカー協会(CFA)が発表した。

 これまでの規則では、アジア・サッカー連盟(AFC)加盟国の選手1人を含む4人が上限だったのが、3月から始まる2017年シーズンには3人に減らされる。

 変更の理由について、CFAは声明で「中国サッカー全体の発展と、国内選手の発掘、中国代表チームのレベル向上に供するため」と述べているほか、「このところの法外な投資、また国内外の選手に対する高額な移籍金や年俸の支払い」を抑制するための措置だとも話している。

 中国サッカーは先日、アジア最高額を更新する移籍金6000万ユーロ(約74億円)で、イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)からオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)を呼び寄せた。アジア最高額が更新されるのは、この1年で5回目だった。

 また、オスカルが加入した上海上港(Shanghai SIPG)とホームが同じ上海申花(Shanghai Shenhua)は、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)やマンチェスター・シティ(Manchester City)でプレーしたカルロス・テベス(Carlos Tevez)を獲得するのに、世界最高年俸となる3800万ユーロ(約46億円)を提示したといわれている。

 この2人の前にも、中国は目の玉の飛び出るような額の資金を投じて国外の選手を次々に集めており、またここ数日は、チェルシーの問題児ジエゴ・コスタ(Diego da Silva Costa)に対し、江蘇蘇寧(Jiangsu Suning)が巨額のオファーを提示したとの報道も出ている。

 とはいえ、中国のサッカーファンや協会上層部は、国外の有力選手の大量流入が、自国選手の成長の芽を摘んでしまうのではないかと危惧している。中国は国際サッカー連盟(FIFA)のランキングで現在は82位となっており、W杯出場は2002年の日韓大会(2002 World Cup)のみで、しかも無得点の3戦全敗だったことをはじめ、国際舞台では低迷が続いている。

 それでも、習近平(Xi Jinping)国家主席が発したサッカー超大国化、W杯招致、W杯優勝の号令の下、スーパーリーグの各クラブを後援する国内の大企業は、湯水のようにお金を使ってチームを強化し、またサッカーを根付かせる草の根の運動にも巨額の投資を行っている。(c)AFP